
組織球症は、血液細胞の一種である組織球が腫瘍化した病気で造血器の悪性腫瘍です。組織球症にはいくつかの分類がありますが、いずれもまれな疾患です。その中で最も多いのがランゲルハンス細胞組織球症(LCH)です。LCHは乳幼児に多くみられる疾患で、日本血液学会には年間60-70例、成人で年間15例ほどが疾患登録されています。
LCH以外の組織球症は、まとめて非LCHと呼ぶこともあります。非LCHには、60歳前後にエルドハイム・チェスター病(ECD)や組織球肉腫(HS)、10~30歳代にロサイ・ドルフマン病(RDD)、小児に播種性肉芽腫症(JXG)の発症が認められます。
骨・皮膚・肺など体の様々な場所に病変が現れるため、症状は多岐にわたります。そのため、患者さんは最初に整形外科、皮膚科、呼吸器科、歯科、耳鼻科などを受診することが多いです。病気自体が珍しいため、なかなか診断がつかず、診断がついても適切な治療が行われないケースが多いことも問題となっています。
次に、それぞれの疾患ごとに治療などについてご説明致します。
組織球症は希少疾患であり、日本国内における実態は十分に明らかになっていません。
本研究では、治療法の開発や診療ガイドラインの整備を目指し、組織球症診療の向上に繋がる情報の収集・解析を行っています。
ご提供いただいた患者さんの診療情報は最新の医療情報とともに還元し、診療の一助として活用いただけます。新たに診断された方に限らず、診療や治療について気になることがある方も、お気軽にご相談ください。