BRAF遺伝子変異を有する進行・再発組織球症に対するBRAF阻害薬とMEK阻害薬の併用療法の治療効果予測因子を解析する前方視的観察研究(Histiocytosis-MAPKi)
小児LCH領域では1996年から統一的な臨床試験が開始されており、すでに小児LCH診療ガイドラインは作成されています。しかし、遺伝子変異に基づく分子標的薬に関するエビデンスはなく、これは現時点での重要なクリニカルクエスチョンです。 一方、小児非LCH(JXG、RDDなど)に関してはガイドライン作成にも至っていません。成人LCH領域でも診療ガイドラインは存在せず、これまで統一的な臨床試験も行われていないためエビデンスが確立していません。
そのため、2023年6月からAYA世代/成人LCH診療の参照ガイド作成委員会を立ち上げ、令和7年度に初版を完成させる予定であり、そのデータを創出します。この初版はAYA世代/成人LCHを対象としますが、改訂版では全組織球症に広げた組織球症の参照ガイドを作成する予定です。
研究開発項目①「レジストリ構築」により組織球症の従来治療のヒストリカルデータが得られ、研究開発項目②「バイオレポジトリ構築」により、組織球症の遺伝子プロファイルや病理組織データが収集されます。これらのデータは国際共同(Histiocyte society)へも提言します。
目標は、既存の臨床試験データを統合し、持続的なレジストリを構築することです。レジストリ、バイオレポジトリの構築により、組織球症の新規臨床研究が促進されることが期待されます。